基本情報
当科では消化器疾患と乳腺疾患の外科治療を行います。食道がん・胃がん・消化管間質腫瘍(GIST)・大腸がん・肝がん・胆道がん・膵がん・乳がんなどの悪性疾患、食道裂孔ヘルニア・胆石症・大腸憩室炎・鼠径部ヘルニア・痔や直腸脱などの良性疾患、消化管穿孔・腸閉塞・虫垂炎などの救急疾患と幅広く対応しています。消化器疾患は消化器内科と連携して、診断から手術まで速やかに進む体制となっています。乳がんは放射線治療科や病理部と連携して、診断と治療に当たっています。また他院で治療した乳がん患者さんの追加治療も受け付けています。
現在常勤医5名と新潟大学からの出張医で診療を行っています。新潟大学や県立がんセンター新潟病院と連携して、魚沼地域で高度医療が完結できるように心がけています。
今や鏡視下手術は一般的なものとなり、特殊な手術ではなくなっています。当科では、大腸がん・胆石症・虫垂炎の90%程度、胃がんの40%程度、鼠径部ヘルニアの30%程度に鏡視下手術が行われています。鏡視下手術には多くのメリットがありますが、目的は病気の完治であり、そのための一つの手段とも言えます。当科では患者さんの病状・からだの余力などを踏まえて、目的を達成するための最適な手段を提案いたします。
手術中にICGという蛍光色素を使って目的の臓器を光らせながら安全に手術を進めることができます。主に胆石症の手術に使っています。また、腸管を光らせることで血流を確認できるので、安心して腸管吻合ができます。主に大腸がんの手術に使っています。腸閉塞の手術では血流障害の有無を確認できるので、不要な腸管切除を避けることができます。
がん細胞が最初に転移するリンパ節はセンチネルリンパ節と呼ばれます。乳がんの手術中にセンチネルリンパ節を見つけて転移がないことが確認できれば、腋窩リンパ節郭清を省略できます。当科では放射性同位元素とICGを併用することで、効率よくセンチネルリンパ節を見つけ出し、80%程度の腋窩リンパ節郭清を省略できました。これも一種の蛍光ガイド下手術です。