循環器内科の3人体制復活
救命センターブログ担当の清塚です。
今回は循環器内科の3人体制復活と準備について紹介します。
私は学生時代の実習経験から循環器疾患に興味がありました。しかし、自分が当院に就職した年に循環器内科の常勤医が減り、ここ数年は心筋梗塞など緊急カテーテル治療が必要な症例は他院に搬送している状況が続いていました。今年の春から循環器チームが復活し、7月に始まる緊急カテーテルの受け入れに向けて準備をしてきました。
先日はIABPの勉強会が開かれました。IABPの基本的なところから、転院搬送時の機器の取り扱いなどを説明してもらい、多くの学びがありました。
IABPとは、大動脈バルーンパンピングの略称であり、みんなは「バルパン」と呼んでいます。バルーンのついたカテーテルを大動脈に留置し、大動脈圧と心電図に合わせてバルーンを収縮、拡張させることで心機能を補助します。
少し詳しく説明するとIABPで得られる効果として、
「ダイアストリックオーグメンテーション」、「シストリックアンローディング」というものがあります。
前者は、拡張期にバルーンが膨らむことで冠動脈の血流を増やすことができるというものです。後者は、収縮期にバルーンが収縮することで陰圧を生み、後負荷の軽減、心筋の酸素消費量を減らす効果を期待するものです。これらは、心原性ショックやハイリスクなカテーテル治療後に用いられるものであり、救命センタースタッフとしてこれらの知識は必須になります。
循環器疾患は重症化リスクも高く、救命センターの役割も重要になります。循環器内科医師、救急医、看護師、その他様々な職種で安全、安心な医療が提供できるよう協力していきたいと思います。