キーワードは“引きずる”
みなさん、こんにちは
救命センター医師の山口征吾です。
先日、院内の火災訓練がありました。
今回も、入院患者さんの避難訓練を盛り込みました。
上の階から下の階へ避難することを、垂直避難と呼びます。
また、同じ階で火元から防火扉の反対側へ避難することを水平避難。
防火区画で守られた部屋に閉じこもり、救助を待つことを籠城避難といいます。
下の階に逃げるのが一番よいのですが、まったく動けない入院患者さんを移動させるのはとても大変です。特に垂直避難はつらいです。
担架で搬送するということもあるわけですが、非常に重たいですし、患者さんを落としてしまう危険だってあります。
病院はやはり女性の職員が多く、一部の人を除けば非力です。(笑い)
そこで魚沼基幹病院では、開院時から“引きずる担架”を購入し、準備してきています。
“引きずる担架”はエアーストレッチャーとレスキューキャリーマットの2種類があります。
患者さんを落とす心配がないこと、少人数での移動が可能なことが大きなメリットです。
階段も引きずることで、スムーズな移動が可能です。
エアーストレッチャーは底にポリエチレン製板を装着していますので、そりのように引きずることができます。
レスキューキャリーマットは底に板はついていませんが、魅力は安価なことです。同様に引きずって、患者さんの搬送ができます。
魚沼基幹病院は最新の防火設備で守られていますが、油断は禁物です。
東京消防庁の調査によると、病院火災の原因で最も多いのは放火です。
もしもの時は“引きずる”をお忘れなく!