医療を止めるな!
10月15日14時30分、魚沼地域に震度6弱の地震が起こったという想定で災害訓練を行いました。
地震等の災害が発生すると、電気や水道、ガスなどのライフラインが使えなくなる場合があります。また、道路や線路が寸断されて職員が出勤できないなど、通常の人員体制が確保できない場合があります。
災害によってたくさんの人がケガをして治療を必要とする一方で、病院は通常よりも厳しい状況で医療を継続することが求められます。災害時には、医療の需要と供給のバランスが大きく崩れるのです。
発災直後は院内にどのくらい患者さんや付き添いの方がいるか、これからどのくらいのけが人が運ばれてくるか、電気や水道はどのくらいもつか、職員は何人くらい確保できるか、など多くの情報を集めて、対応を検討します。
混乱の中、限られた資源で医療を提供する必要があることから、「トリアージ」と言って、多くの患者さんを重症度別に優先順位をつけて治療します。
今回の訓練でも、ライフラインの復旧見込みや道路の情報、職員の人員配置や患者さんの状態、消防や保健所との連携など様々な視点から対応について検討し、必要な医療を最大限提供できるようにするにはどのような課題があるかを洗い出しました。
災害に必要なことは「備え」です。今回のような大掛かりな訓練も備えの一つですが、病院としては日頃から災害時の初動について練習しておくこと、消防・保健所などと顔の見える関係を築いておくことなど、常に意識しておくことが必要です。平時にできないことが非常時にいきなりできる、なんてことはありません。
みなさんはどのような備えをされていますか。食料のローリングストックや簡易トイレなどの備蓄も大切ですが、寝るときに近くに靴を置いておく、壊れやすいものを高いところに置かないなどケガを減らす備えや、ハザードマップ・避難所の確認など事前の備えもとても重要です。
災害発生時でも、被害を最小限にする「減災」を目指して日頃の備えを見直してはいかがでしょうか。
今回の訓練には、新潟大学医学部災害医療教育センターの先生方、南魚沼消防、魚沼消防、保健所リエゾン、北里大学のみなさまにも参加していただきました。ご協力いただき、大変ありがとうございました。