UKBリサーチで最優秀演題に選ばれました
新年明けましておめでとうございます。
臨床工学技士の山田です。
県内でも多大な被害がありましたが、能登半島地震に際して被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
さて、私事ではありますが、昨年12月に開催されたUKBリサーチ2023において「シャントエコー業務を始めて」という演題を発表させていただきました。そして、多くの演題の中から最優秀演題賞に選出していただきました。
シャントエコーとはどのような事なのか、少しお話させていただきます。
私たち臨床工学技士は院内至る所に出没しており、人工透析室でも働いています。
人工透析室では、腎不全の患者さんが「透析」をします。透析では、体から1分間に約200mlの血液を取り出し、きれいにして体内に戻します。血液を効率よく体外に取り出すために、「シャント」と呼ばれる動脈と静脈を繋いだ血管を作って、そこに針を刺すのが一般的です。そのため、このシャントは言わば命綱です。
シャントトラブルの早期発見は透析を管理する上でもっとも重要とされ、近年では超音波診断装置(エコー)を使用した管理が主流となっています。当院でも腎臓内科医、透析室看護師と連携しつつ、臨床工学技士が実施しています。
まず、シャントを作成した腕をタブレットで撮影します。次に、シャントのエコーを実施し、血管の走行や太さなどを計測→記録します。タブレットで撮影した写真の上に、エコーの記録を元にして血管を描き、「シャントマップ」を作成します。これにより、その写真を見れば腕のどの辺りにどのような血管があり、どのあたりを注意しなければならないのか、などが一目で分かります。また、紙と電子カルテの両方で見ることができるため、患者さんを始め、スタッフ全員で情報共有することが出来ます。この一連の業務が「シャントエコー業務」です。
シャントエコー業務は、昨年度から始まったばかりです。これからも精進して少しでも良い治療に貢献できるよう、より良い臨床工学技士、より良い基幹病院の一員になれるように頑張っていきたいと思います。
最後になりましたが、今回の受賞にあたり、お世話になった腎臓内科の飯野先生を始めとする先生方、透析室の皆様、診療情報管理室の皆様、医事係の皆様、この場を借りて御礼申し上げます。また、理解ある臨床工学技士の仲間たちにも感謝です。本当にありがとうございました。
今年も皆様にとって幸多い素敵な1年となりますようにお祈り申し上げます。