魚沼(うおぬま)の名前の由来は魚が豊富に生息していた沼地や湿地のある土地を指していたとされています。日本一の大河信濃川流域と、鮎釣りで有名な魚野川流域はコシヒカリで知られる稲作に適した肥沃な土地です。二つの流域間には丘陵地帯があり、さらに東側には八海山をはじめとする雄大な山並みが連なり、冬はスノーリゾートとして、夏は絶好の登山・ハイキングやドライブコースとしてたくさんの観光客が訪れる広大な面積を有する地域です。日本有数の豪雪地帯で冬期には3mを超す積雪に見舞われることがあります。この地域に、真に住民の健康に貢献できる医療体制を構築したいという、当機構荒川正昭前理事長をはじめ、長年にわたる多数の関係者の熱い思いが実を結び、国や新潟県の地域医療構想に先駆けて、魚沼地域の医療再編により、平成27年6月に新潟県地域医療推進機構魚沼基幹病院は開院しました。
当院は高度専門医療・急性期医療・救急医療の拠点を担い、3次救急医療施設として多くの救急車を受け入れております。「地域全体でひとつの病院」を合言葉に、魚沼地域に立地する他の医療機関(病院・診療所)との機能分担・医療連携を進めております。特に最近は外国からの観光客の怪我による受診者が激増しており、言葉の問題を含めて柔軟な対応を行っております。
当地域では各病院間の診療情報を電子カルテ上で共有できる地域医療連携ネットワーク「うおぬま・米(まい)ねっと」を発展させてまいりました。これを今後さらに推進・活用することにより、地域医療の新潟発モデルとして、全国に発信したいと切に願っています。
当院には新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター(略称:新潟大学地域医療教育センター)が併設され、各診療科の診療・教育スタッフには、特任教員として公募により選考された教員(教授・准教授・講師・助教など)が配置されています。同センター教員は、魚沼基幹病院の高度医療を担うとともに、医学生の臨床実習や卒後臨床研修、専門研修等を通じて、新潟県の医師の育成も行っています。
これからも真に地域に必要とされる医療を提供していくことを目指し、よりよい医療人の育成を実現し、医療の発展に一層の貢献ができるよう、職員一同、意見を交換し合いながら進んでいきたいと思います。
関係各位のご理解とご支援をお願いいたします。