基本情報

腎臓内科では、蛋白尿や血尿がきっかけで発見される腎炎やいろいろな原因で起きる急性腎障害、緩徐に腎機能が低下する慢性腎不全など多くの病態の検査・治療を行っています。加えて、末期腎不全となり、腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)が必要な方へは、治療法の選択を支援したり、選んだ治療のために必要な手術も行います。腎疾患が疑われる異常がある場合には、早めに病院を受診することが大切です。われわれは腎疾患の診療だけではなく、体全体を見ることも心がけています。病気があっても普通に生活できるように医療の面から支援を行います。

健康診断の大切さについて

毎年の健康診断、きちんと受けていますか?健康診断では、腎臓の健康状態もチェックを受けられます。血清クレアチニン値、eGFR、尿検査はその重要な指標です。多くの腎疾患は、早期に発見し治療することで、腎機能の悪化を防ぐことが可能です。検査結果で「要医療」や「要精密検査」の判定がでた場合、腎臓内科の受診をお勧めします。当院では、異常が見つかった方を対象として、専門的な二次検診を行っています。

腎疾患が疑われた場合の診断手順

健康診断で指摘された異常が一時的なものか、それとも持続するものかを確認します。もし持続する異常であった場合は、その原因を特定するために、より詳細な検査が必要です。外来で行う非侵襲的検査や画像診断に加えて、腎臓の病理診断が必要と判断された場合には、腎生検を計画します。治療方針は、患者さんと相談の上、すべての検査結果を踏まえて決定します。腎生検には1週間程度の入院が必要です。

腎機能を維持する方法

腎機能の低下を防ぐには、原因となる疾患の早期診断と適切な治療が最も重要です。また、高血圧や糖尿病など生活習慣病を適切に管理することも腎機能保持には必要です。腎疾患の治療は年余にわたる長期戦です。医師との定期的な診察で、現状を認識し、必要な修正を行うとともに、ご自身では長期間継続可能な生活習慣の改善を心がけてください。

全国的な腎臓病対策への参加

2007年から日本腎臓学会が腎臓病総合レジストリーを運用しており、現在までに約66,000件のデータが登録されています。これは、日本における腎臓病の状況を把握するためのものです。当院では特にネフローゼ症候群とIgA腎症の患者さんが多く、以下にこれらの病気に対する情報を掲載していますのでご覧ください。

IgA腎症

尿異常(蛋白尿・潜血尿)が持続する慢性腎炎の中で最も頻度が多い疾患です。多くは自覚症状が無く、健康診断で偶然発見されます。そのため定期的な検診がとても重要です。無治療の場合、3-8年くらいで腎不全となり腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)が必要となります。早期に診断し治療ができた例は、その後の腎機能低下を防げるようになりました。自分の将来のために尿異常は決して放置しないでください。

ネフローゼ症候群

尿に大量の蛋白が漏れ、下腿などにむくみを伴うことが多い状態です。ネフローゼ症候群の原因となる疾患は多様であり、確定診断には腎生検が必須です。治療は、患者さんの病態に合わせて決定しますが、一般的には免疫抑制薬(副腎皮質ステロイドホルモンなど)を使用します。急性腎障害を合併すると、血液透析の併用が必要な場合もあります。入院期間は治療への反応により変わりますが、4−12週間程度必要になります。

血管炎症候群

血管炎症候群は、腎臓だけでなく他の重要な臓器にも影響を及ぼす可能性があります。
初期症状は普通の風邪と似ており、症状が持続する場合には注意が必要です。特に、1週間以上持続する発熱や強い炎症反応が見られる場合、血管炎症候群を疑う必要があります。早期の診断と治療が、症状の悪化や重大な臓器障害を防ぐ鍵となります。

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