基本情報

肺、気管支、縦隔、胸壁の病気(心臓血管・食道・乳腺、脊椎以外の胸部疾患)に対する外科的治療をおこないます。この地域には今まで呼吸器外科専門医がいなかったために他地域での治療が必要でした。また緊急時対応も十分ではなかったかもしれません。今回、経験豊富な呼吸器外科専門医が着任したことから救急疾患も含めて24時間幅広く対応が可能となりました。手術室にはハイビジョン、3Dモニターによる胸腔鏡が導入されており、小さな傷での低侵襲手術を標準的な手技としています。難易度の高い手術にも対応してこの地域の医療の質の向上に貢献いたします。呼吸器内科、総合診療科、放射線科、病理診断科、麻酔科、リハビリテーション科など他科のスタッフとも綿密に連携して、入院から外来通院まで専門医が一貫して対応いたします。

診療内容

肺がん

進行癌の場合やその他の特別な理由がある方以外は小さな傷による胸腔鏡下手術を標準的な方法としています。大きな傷が必要な開胸手術と比較して傷が小さくて痛みが少なく、手術後の快復が早いという利点があります。特に高齢者には積極的に取り入れ、術後早期に離床してもらい手術前と同等の生活に早く戻れるように努めています。また肺切除量を少なくする積極的な縮小手術も導入しています。

転移性肺腫瘍

大腸癌、腎癌、婦人科癌、骨軟部腫瘍などの転移性肺腫瘍を対象とします。部分切除術という比較的難しくない術式が行われることが多いので通常は胸腔鏡を使用した小さな傷での手術が可能です。

縦隔腫瘍

左右の肺には挟まれた部位で、肺・心臓・大血管・食堂以外の組織から発生する腫瘍を治療対象をします。様々な種類の腫瘍があり、良性腫瘍かあら高悪性度の癌までが含まれますが、もっとも多いのは胸腔腫という胸線から発生した腫瘍です。低悪性~悪性の腫瘍ですので画像で胸腺腫が疑われる場合は手術切除が勧められます。腫瘍の大きさや周囲への浸潤の有無によって胸腔鏡による小さな傷での手術が良いのか開胸手術が勧められるのか患者さん個別の検討が必要になります。

気胸

二十歳前後の若年層やタバコを吸っていた高齢者に突然の胸痛や呼吸困難が生じた場合は気胸を発症している可能性があります。我慢していると呼吸がますます苦しくなり命に係わることもあります。レントゲンを撮影すれば容易に診断がつきますので早めに病院を受診することをお勧めします。はじめは肺に管を入れる治療をおこないますが(胸腔ドレナージ)、それでも治らない場合や気胸を繰り返す場合は手術が必要になります。通常は胸腔鏡による手術がおこなわれ早期退院が可能です。

炎症性肺疾患、膿胸

内科的治療等では軽快せず、病変が限局している結核や非結核性抗酸菌症、真菌症などが外科的治療の対象になります。肺の外側に菌が出て肺の中で広がってしまった膿胸も外科的治療を行うことがあります。呼吸器内科の医師と連携して治療を行います。

原因不明の疾患に対する肺生険

診断と治療方針を決めるために生検が必要になることがあります。通常は胸腔鏡を用いた低浸襲手術を行います。

胸部外傷、気管・気管支病変、嚢胞性肺疾患、天性疾患など

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