腹腔鏡下胃切除術

胃がんに対する腹腔鏡手術とは

胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術とは、お腹に5か所の小さな穴をあけて、そこからカメラと長い鉗子を差し込んで胃とリンパ節の切除を行う手術です。切除範囲は大まかに分類すると、小範囲を切除する局所切除術、上側1/3を切除する噴門側胃切除術、下側2/3を切除する幽門側胃切除術、胃をすべて切除する胃全摘術があります。

当院における適応と現状

基本的には内視鏡的切除のできない早期がんの方を主な対象としていますが、高齢や持病によって体の余力が少ないなど、患者さんひとりひとりの状態は様々です。当院では体の余力の少ない方の場合、治る可能性(根治性)と体にかかる負担(侵襲性)のバランスを考えて進行がんであっても腹腔鏡下胃切除を行うことがあります。難度の高い手技のため、手術のクオリティおよび安全性を確保するため、当院では全症例に日本内視鏡外科技術認定医を含む手術チームで治療を行っており、2019年の実績では胃がん手術の約65%が腹腔鏡を使って行われています。

胃がん患者さんへのチーム医療

当院ではクリニカルパスを用いて、医師・看護師・栄養士・リハビリ部門など複数の職種が一つのチームとなって患者さんの入院、手術、術後のケアを行える体制を整えています。標準的には手術前日に入院していただき、術後経過が順調な場合、手術後7日程度での自宅退院を目指すプランとなっています。手術後の仕事復帰は、デスクワークであれば術後2週間程度、肉体労働の方であれば手術後2~3週間程度の復帰が可能です。腹腔鏡下胃切除術は保険適応となっており、通常の健康保険や高額療養費制度で対応できる治療法です。

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