厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成29年(2017年)1年間の死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万9,880人で全体の8.2%を占め、全死因の上位から3番目という結果になりました。このうち、脳内出血は3万2,654人(男性17,881人、女性14,773人)、くも膜下出血で亡くなった方は1万2,307人(男性4,535人、女性7,772人)、脳梗塞は6万2,122人、その他の脳血管疾患が2,797人という結果でした。
脳内出血は脳卒中の15.5%を占め、急性期の死亡率は15.4%とくも膜下出血(20.4%)に次いで高く、また、入院から死亡までの日数は5.2±6.0日であり、脳卒中の他のどの病型よりも短くなっています。
小さな脳内出血は、血圧管理を中心とする内科的治療で回復しますが、大きな脳出血は、急性期に血腫を除去して脳に対する圧迫を解除するほうが、良好な回復につながる場合があります。
その際、小さな開頭で内視鏡下に脳内血腫を除去する方法があります。近年、内視鏡下に脳内血腫を除去する手技が確立してきました。手術時間も短く、身体への負担も少なく、効果的に脳内血腫を除去できます。