腰椎椎間板ヘルニアの治療の新たな選択肢として、コンドリアーゼを椎間板内に注入する方法が2018年3月に承認されました(図)。コンドリアーゼはある種の土壌細菌由来の酵素で、椎間板を構成するコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸を分解することで保水能(水分を保持する力)を弱め、椎間板の圧を下げることで神経への圧迫を弱める作用があると考えられています。
すべてのタイプのヘルニアには使用できないこと、現時点では生涯に1回しか使用できないこと、手術に比べて効果の確実性はやや劣ること、効果がでるまで手術に比べてやや時間がかかること、などの特徴を考慮して使用する必要はありますが、局所麻酔でできる体にやさしい治療法として普及してきています。当院でも患者さんの希望に応じて使用しています。